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電話対応マニュアル|受け方・取り次ぎ・不在時の例文と社内用テンプレート

新人も使える電話対応マニュアルを、受電から取り次ぎ、担当者不在、折り返し、記録まで会話例で解説。社内で決める項目と伝言メモのテンプレート、練習方法も紹介します。

寺下 昇希Bell 技術責任者読了 13分

この記事の要点

  • 受電は、名乗り、相手と用件の確認、案内・取り次ぎ、復唱、記録までを一つの流れにする。
  • 担当者が不在なら、確認できた事実だけを伝え、折り返しの希望と社内での引き継ぎ先をそろえる。
  • 言い回しに加えて、答えてよい範囲、判断に迷う場合の連絡先、対応完了の条件を決める。

電話を取って最初に困るのは、敬語を一つ間違えることよりも、「誰につなぐか分からない」「担当者が不在で次に何を言えばよいか分からない」といった場面です。電話対応マニュアルには、話す言葉と、その後にすることをセットで書いておくと、慣れていない人も使いやすくなります。

基本の順番は、名乗る → 相手と用件を確認する → 案内・取り次ぎ・折り返しに分ける → 約束を復唱する → 記録して引き継ぐ、です。 すべての質問にその場で答える必要はありません。自分で判断できないことを、必要な情報と一緒に担当者へ渡せれば、一次受付として役割を果たせます。

この記事は、会社の代表電話や総務・営業窓口で使う受電マニュアルの作成例です。会社名、担当者名、時間などは架空の例で、実際の運用に合わせて置き換えてください。会話中の分岐だけを一枚で見たい場合は、電話対応フローチャートも使えます。

まず使える、電話を受けて取り次ぐまでの基本例

以下は、取引先から営業担当へ電話があった場面です。最初から全部を質問するのではなく、相手が話してくれた情報を受け止め、足りない部分だけを確認します。

場面電話口での会話例受付側の動き
電話を取る「お電話ありがとうございます。青空商事の田中でございます」メモを開き、日時を残す
相手が名乗る「みどり工業の佐藤様ですね。いつもお世話になっております」会社名・氏名を確認する
担当者の指定を受ける「営業部の鈴木でございますね。少々お待ちいただけますか」取り次ぎ先を確認し、保留する
社内で取り次ぐ「みどり工業の佐藤様からお電話です。見積もりについてのご連絡です」分かっている用件を伝えて引き継ぐ
担当者につなぐ「お待たせいたしました。担当の鈴木におつなぎいたします」相手を戻してから転送する

初めて電話をかけてきた相手に、取引の有無を決めつける必要はありません。「お電話ありがとうございます。ご用件を伺ってもよろしいでしょうか」で自然に進められます。また、担当者への直接の用件が分かっているときに、受付で詳細をすべて聞き直す必要もありません。

自社名を入れて練習したい場合は、代表電話の一次受付・取り次ぎの台本を編集すると、担当者が出られる場合と不在の場合を続けて確認できます。コピー・テキスト保存もできるので、社内の言い方へ直して手元に置けます。

保留せずに社内の会話を始めると、相手に聞かせる予定のない情報まで届きます。実際の電話機で、保留、保留解除、転送、転送を戻す操作を確認しておきましょう。会話例を覚えていても、操作が分からないと取り次ぎは止まってしまいます。

相手の名前と用件を、無理なく確かめる

聞き取れない部分を具体的に聞き直す

会社名を聞き取れなかったときは、「もう一度お願いします」だけでなく、「恐れ入りますが、会社名をもう一度お聞かせいただけますか」と不足している部分を伝えます。氏名だけが不明なら会社名まで言い直してもらわず、「お名前をもう一度伺えますか」と聞きます。

復唱は、分かったふりをして進めないための確認です。「株式会社みどり、営業部の佐藤様でございますね」のように短くまとめれば、相手も訂正しやすくなります。漢字の確認は、記録や手続きに必要な場合に限ります。取り次ぎだけなら読み方で足りることもあります。

「担当者が分からない電話」は用件から探す

「詳しい人につないでください」と言われたときは、部署を当てずっぽうで選ばず、問い合わせの対象を確認します。

「担当の窓口を確認いたします。ご注文についてでしょうか、それとも商品の使い方についてでしょうか」

選択肢は、実際に社内で振り分けられるものにします。相手がすでに「先週注文した商品の納期」と話しているなら、同じ質問をせず、その情報を使って受注担当へつなぎます。確認が必要なときは「担当部署を確認しますので、少々お待ちいただけますか」と、待ってもらう理由も伝えます。

担当者が不在のときは、折り返しの条件をそろえる

不在時に避けたいのは、「後で電話させます」とだけ答えて終えることです。相手はいつ連絡が来るか分からず、社内では誰が何をすべきか決まっていない状態になります。

戻る時間が分かる場合

「申し訳ございません。鈴木はただいま席を外しており、15時に戻る予定です。戻りましたら折り返すよう申し伝えましょうか」

予定を伝える場合も、戻る時刻と電話できる時刻は同じとは限りません。15時直後の折り返しを約束するなら、担当者が対応できることを確認します。相手から「16時までに」と希望が出たときは、希望として記録し、確約できるかを別に確認します。

戻る時間が未定の場合

「申し訳ございません。鈴木は外出しており、戻り時刻は未定です。ご用件とご連絡先をお預かりして、担当者に連絡いたしましょうか」

私用の理由や具体的な外出先まで説明する必要はありません。相手が急いでいる場合は、「お急ぎの内容を伺ってもよろしいでしょうか」と聞き、代わりに対応できる人へ相談します。担当者が不在という理由だけで、重要な連絡を翌日まで止めない運用が必要です。

折り返しを希望されたら、最後に一つにまとめる

「納期の確認について、佐藤様宛てに、番号の末尾1234へご連絡するよう申し伝えます。16時までのご連絡をご希望ですね。担当者の予定を確認し、ご希望に添えない場合は受付からご連絡いたします」

このように答えるのは、受付が予定確認と再連絡を引き受けられる場合です。できない対応を台本に入れず、「どの窓口が連絡を取り直すか」まで社内で決めてください。発信者番号が表示されても、折り返してよい番号とは限らないため、相手に確認します。

保留・回答できない質問・苦情の初動

保留が長くなりそうなら、一度電話口へ戻る

調べ続けたまま無言で待たせるより、「お待たせして申し訳ございません。確認に時間がかかっております。このままお待ちいただくか、確認後に折り返すか、どちらがよろしいでしょうか」と選んでもらう方が状況を伝えられます。

何秒で戻るかは、業務や電話設備に合わせて目安を決めます。「必ず何秒以内」と形だけ定めるよりも、確認に時間がかかると分かった時点で戻ること、折り返し先を記録することを練習しましょう。

分からないことは、確認する対象を伝える

料金の例外、返金、契約内容などを、その場の推測で答えないようにします。「分かりません」で終えず、「その条件で変更できるか、担当部署で確認いたします」と、何を確認するかを伝えます。

マニュアルには、案内してよい情報の参照先と、判断を引き継ぐ境界を載せます。たとえば「通常の営業時間は回答可、臨時営業は当日の案内を確認」「納期の目安は回答可、個別注文の確定納期は受注担当へ」と書けば、受付の人が責任を抱え込まずに済みます。

苦情は、困っている内容と求める対応を分けて聞く

「届いた商品が違う」と言われたら、「ご不便をおかけして申し訳ございません。届いた商品と、ご注文の商品を確認いたします」と、まず状況を聞きます。事実確認前に交換や返金を約束せず、受付できた内容と、判断する担当者を伝えます。

威圧的な言動が続くなど、一人で対応を続けにくい場面もあります。社内の責任者への交代方法や、対応を終了する判断基準は、個人の判断に任せず別途定めます。初動の会話を準備したい場合は、場面別のトークスクリプトを土台にできます。

電話を切る前と、切った後の引き継ぎ

通話の最後には、問い合わせへの答えだけでなく、次に誰が何をするかを確認します。「担当から連絡する」「相手が資料を送る」「この案内で完了する」では、通話後に必要な作業が違います。

「本日は納期の確認を承りました。営業の鈴木へ引き継ぎ、確認後にご連絡いたします。ほかにお伝えすることはございますか。お電話ありがとうございました」

この締め方なら、受付した内容と残っている対応が伝わります。電話を終えたら、記憶が薄れる前に共有先へ記録します。通知を送っただけで終わりにせず、担当が引き受けたことを確認できる状態にします。

コピーして使える伝言メモ

項目記入例
受付日時・受付者10月9日 14:10/田中
相手みどり工業・営業部/佐藤様
折り返し先相手に確認した電話番号を記入
用件見積もり番号A-123の納期を確認したい
相手の希望本日16時までの折り返しを希望
こちらが伝えたこと担当の予定を確認する。16時までの回答は未確約
次の対応・担当営業の鈴木が納期確認。対応不可なら営業責任者へ相談
状態担当確認待ち/引受済み/連絡済み

「至急です」だけでは、何を優先すべきか判断しにくくなります。「本日の出荷判断に必要」など、急ぐ理由が分かれば残します。一方で、用件に不要な個人情報や推測は書き足さず、メモの共有先も対応に必要な人に絞ります。

自社用マニュアルにするための記入欄

共通の例文を配るだけでは、実際の職場で「結局誰に聞けばよいのか」が残ります。次の欄を埋めると、会話例を業務手順へつなげられます。

決める項目自社で記入する内容
最初の名乗り会社名・店舗名・受付者名をどう伝えるか
主な問い合わせ用件別の担当部署、内線、代替担当
回答できる範囲営業時間・料金などの参照先と更新担当
不在時の対応折り返し受付の可否、受付時間、担当確認方法
急ぎの連絡通常の取り次ぎを待たず責任者へ連絡する条件
伝言の置き場所共通の入力先、担当割当、未対応の確認方法
電話機の操作保留、転送、転送できなかった場合の戻し方
文書の管理責任者、更新日、古い版を置かない場所

最初から分厚い冊子にする必要はありません。最も多い用件と、迷ったときの連絡先を先に整え、実際に困った場面を追記します。言葉の確認用には電話対応の言葉遣い一覧を添えると、手順書の中にすべての敬語解説を入れずに済みます。

研修では「上手に読めたか」より「次の人が動けるか」を見る

練習は、担当者へそのままつなぐ電話、担当不在の電話、答えを確認する電話の三つから始めると、基本の分岐を経験できます。一人が相手役、一人が受付役になり、最後に書いた伝言メモを第三者に渡してみてください。第三者が追加質問なしに次の対応へ進めるかが、見直しの手がかりになります。

たとえば、氏名を聞き直せても折り返し希望を落としていたなら、敬語の練習を増やすより、メモに希望時間の欄を足す方が役立ちます。電話機で転送に失敗したなら、例文を増やすより、転送を戻す操作を一緒に練習します。評価は間違い探しではなく、次の電話で困らないために行います。

マニュアルを整えても、電話が集中する場合は

手順がそろうと、誰でも案内できる用件と、担当者の判断が必要な用件が見えてきます。営業時間の案内や折り返し希望の受付が多い職場なら、その部分を自動化する余地があります。ただし、受付を自動化しても、残った折り返しを誰が引き受けるかは必要です。

Bellは受電の一次受付と、目的に応じた発信の両方を扱っています。代表電話の負担を減らしたい場合は、まず「このマニュアルのどこまでを任せたいか」から整理すると、検討しやすくなります。AI電話の活用方法を読みながら考えることも、Bellへ現在の電話業務を相談することもできます。今の運用で回っている部分は残し、困っている場面から考えてみてください。

よくある質問

電話は必ず3コール以内に取らなければいけませんか?

3コール以内などを社内の目安にすることはできますが、どの職場にも共通する絶対条件ではありません。安全や対面対応との優先順位を決め、待たせた場合の声かけと、出られない時間帯の受け皿まで用意します。

担当者の戻る時間が分からないときはどう答えますか?

戻り時刻が未定であることを伝えます。根拠のない折り返し時刻を約束せず、相手の希望時間と用件を預かり、社内で対応担当と期限を確認します。

電話対応マニュアルとトークスクリプトの違いは何ですか?

マニュアルは判断基準、社内連絡先、記録方法まで含む業務の手順書です。トークスクリプトは電話口で話す言葉と相手の返答に応じた会話例です。両方を組み合わせると、話し方だけでなく通話後の対応もそろえられます。

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寺下 昇希

寺下 昇希

Bell 技術責任者

Bellの技術責任者として、AI電話システムの設計・導入・改善に携わっています。現場の電話業務課題を、実務に耐える会話設計とシステム連携で解く知見を発信しています。

  • AI電話プロダクトの設計・実装を統括
  • 業種別シナリオ設計と運用改善を多数支援
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