業務効率化

電話対応の言葉遣い一覧表|受け方・取り次ぎ・お断りの例文と敬語の使い分け

電話対応で迷う言葉遣いを、名乗り、聞き直し、保留、担当者不在、折り返し、お断りの場面別に整理。言い換える理由と会話例、敬語を丁寧にしすぎない考え方を解説します。

寺下 昇希Bell 技術責任者読了 11分

この記事の要点

  • 迷ったら、丁寧な言葉を足すより、相手にしてほしいことと次の対応を短く伝える。
  • 聞き直しは、会社名・氏名・番号など、不明な部分を具体的に示す。
  • 敬語の誤りと、場面による印象の違いを分けて考え、一律にNGと決めつけない。

電話対応で言葉に迷ったら、まず「何を確認したいのか」「次に誰が何をするのか」を、短く丁寧に伝えてみてください。「大変恐縮ではございますが」と前置きを重ねるより、「恐れ入りますが、お名前をもう一度伺えますか」の方が、相手は答えやすくなります。

この記事では、電話口でそのまま使える表現と、言い換える理由を場面別にまとめます。例文は一般的な社外電話を想定した作成例です。相手との関係や会社のルールに合わせて調整してください。「NG集」を丸暗記するためではなく、伝えたい内容を落とさず、落ち着いて話すための一覧です。

受電から記録までの順番を知りたい方は電話対応マニュアル、相手の返答ごとに会話を準備したい方はトークスクリプトのテンプレートも参考になります。

名乗り・相づち・聞き直しの言葉遣い

最初のやり取りでは、立派な敬語より、誰につながったかが分かることが大切です。会社名と自分の名前を聞き取れる速さで伝え、相手が話し始めたら、途中で定型句をかぶせずに聞きます。

場面使いやすい表現意識したいこと
電話を受ける「お電話ありがとうございます。青空商事の田中でございます」会社名と受付者をはっきり伝える
待たせてから出る「お待たせいたしました。青空商事の田中でございます」まず待ってもらったことに触れる
用件を聞く「ご用件を伺ってもよろしいでしょうか」すでに話された内容は聞き直さない
名前を聞く「恐れ入りますが、お名前を伺えますか」質問の対象を具体的にする
会社名を聞き直す「恐れ入りますが、会社名をもう一度お聞かせいただけますか」分からない部分だけ聞く
依頼を受ける「承知いたしました」実際に引き受けられる依頼かを確認する
説明を受け止める「納品日についてのご相談ですね」相手の要点を短く返す
音声が途切れる「お声が途切れて聞こえるため、もう一度伺ってもよろしいでしょうか」相手の話し方を責めず、状態を伝える

「うん、うん」や「なるほどですね」が気になる場合は、すべてを「はい」に置き換えるだけでなく、要点を一度言い返してみましょう。「納品日を早められるか、ご確認されたいということですね」と整理すれば、聞き間違いにも気づけます。

ただし、相づちのたびに「おっしゃるとおりです」と答えると、確認していない内容に同意したように伝わることがあります。相手の説明を聞いていることと、その内容を認めることは分けて言葉を選びます。

保留・取り次ぎで使う例文

保留は受付側の都合だけで進めず、これから何をするかを伝えます。「少々お待ちください」も一般的な表現ですが、急いでいる相手には「担当を確認いたします。少々お待ちいただけますか」と確認すると、待てない事情を話してもらいやすくなります。

場面使いやすい表現言葉に加えて必要な対応
担当を探す「担当部署を確認いたします。少々お待ちいただけますか」確認先を決めてから保留する
担当者へつなぐ「担当の鈴木におつなぎいたします」相手の会社名・氏名・用件を引き継ぐ
保留から戻る「お待たせいたしました」確認結果か、まだかかる理由を続ける
確認に時間がかかる「確認に時間がかかっております。折り返しのご連絡でもよろしいでしょうか」相手の希望と折り返し先を聞く
転送先が出ない「申し訳ございません。担当者が電話に出られないため、ご用件をお預かりしましょうか」無言のまま転送し直さない

社外の相手へ自社の上司について話すときは、「鈴木部長はいらっしゃいません」より、「部長の鈴木は席を外しております」が基本です。社内で普段使っている呼び方を、そのまま社外の電話で使わないようにします。

取り次ぎが一度で済まなかったときの会話例

受付:「担当部署を確認いたしますので、少々お待ちいただけますか」

確認後:「お待たせいたしました。ご契約内容の確認は、契約窓口で承ります。先ほど伺った内容を伝えたうえでおつなぎいたします」

相手:「また最初から説明する必要がありますか」

受付:「更新日の変更をご希望という内容は引き継ぎます。契約の確認に必要な点については、担当者から追加で伺う場合がございます」

「もう説明は不要です」と言い切らず、引き継ぐ情報と、追加確認の可能性を伝えます。きれいな言葉でも、実際にできないことを約束すると、後の担当者と相手の双方が困ってしまいます。

担当者不在・折り返しの言い換え一覧

不在を伝えるときは、その後の選択肢まで続けると会話が止まりません。一方で、戻り時刻や折り返し時刻が未確認なら、丁寧に断定するのではなく、未定であることをそのまま伝えます。

伝わりにくい言い方言い換え例言い換える理由
「今いません」「ただいま席を外しております。ご用件をお預かりしましょうか」不在の説明と次の提案を一緒にする
「たぶんすぐ戻ります」「戻り時刻はまだ確認できておりません」推測を予定として伝えない
「あとで電話させます」「担当者からの折り返しをご希望でしょうか」相手が望む連絡方法を確認する
「番号をください」「折り返し先のお電話番号を伺えますか」何のために聞くかを明らかにする
「いつでも大丈夫ですか」「お電話をお受け取りになりやすい時間帯はございますか」相手が具体的に答えやすくする
「伝えておきます」「納期の確認をご希望と、担当の鈴木へ申し伝えます」伝言の内容と相手を明確にする

「本日中に必ずお電話いたします」は、丁寧ですが、確実に実行できる場合だけに使います。「本日中のご連絡をご希望ですね。担当者の予定を確認いたします」と言えば、相手の希望を受け取った段階だと伝えられます。

折り返し対応の分岐を社内でそろえたい場合は、担当者不在を含む電話対応フローチャートで、伝言、かけ直し、折り返しの行き先を確認できます。

お断り・分からない質問・謝罪の伝え方

断るときの言葉は、柔らかくしすぎて結論が分からなくなることにも注意が必要です。「少々難しいかもしれません」を繰り返すより、できることとできないことを区切る方が、相手は次の行動を選べます。

場面会話例注意点
希望の時間が空いていない「申し訳ございません。ご希望の時間は満席です。14時でしたらご案内できますが、いかがでしょうか」代案は確認できたものだけを出す
自分では回答できない「私からは確かな回答ができないため、担当部署で確認いたします」誰が確認するかを曖昧にしない
対象外の依頼を断る「恐れ入りますが、そのお手続きはこの窓口では承っておりません。担当窓口をご案内いたします」案内できる正しい窓口を確認する
案内を訂正する「先ほどご案内した日時に誤りがありました。正しくは10月12日です。申し訳ございません」謝罪と正しい情報を近づける
不便を訴えられた「ご不便をおかけして申し訳ございません。どのような状況か確認させてください」原因や補償を確認前に断定しない

「できませんのでご了承ください」だけでは、相手が困っている点が残ります。別の窓口、別の日程、確認後の連絡など、実際に用意できる次の方法があれば添えます。代案がない場合も、ないものを作らず、理由と結論を簡潔に伝えます。

謝罪を何度も繰り返して話が前に進まないときは、確認する内容を一つ示します。「まず、ご注文番号を伺えますか」のように、解決に向けた最初の確認へつなげます。言葉だけで収めようとせず、受付で判断できる範囲を越えたら責任者へ引き継ぎます。

こちらから電話するときの名乗り・折り返し・終話

発信では、相手が電話の理由をまだ知らないことを前提にします。既存の取引がない相手へ「先日の件で」と話を合わせたり、営業の連絡を確認事項だけのように伝えたりせず、会社名と用件を最初に示します。

場面使いやすい表現確認したいこと
受けた電話への折り返し「青空商事の田中と申します。先ほどお問い合わせいただいた納期の件で、お電話しました。佐藤様はいらっしゃいますか」実際の受付記録がある相手に使う
担当者につながった「今、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」相手が話せる状態かを確かめる
初めて営業の案内をする「青空商事の田中と申します。電話受付サービスのご案内でお電話しました」用件を隠さず、話してよいか確認する
今は話せないと言われた「失礼いたしました。改めてお電話してもよろしいでしょうか」再連絡を希望した場合だけ時間を聞く
今後の連絡を断られた「承知いたしました。今後のご案内は控えます。お時間をいただき、ありがとうございました」会話を終え、停止の希望を記録する
次の予定を確認して終える「それでは、確認した資料を本日中にお送りします。ありがとうございました。失礼いたします」実行できる内容・期限だけを約束する

折り返し先が代表番号の場合、電話に出た方へ問い合わせの詳しい内容を話し始めず、まず連絡したい相手を確認します。「お電話をいただいた件です」とだけ伝えるより、差し支えない範囲の用件を添えると、取り次ぎ先も探しやすくなります。相手に確認できた約束は、通話後に記録して引き継ぎます。

敬語で迷いやすい四つのポイント

相手の動作と、自分の動作を分ける

「伺う」「申し上げる」は自分側の動作に使います。相手に質問してもらいたい場面で「担当者に伺ってください」と言うと、相手の動作に謙譲語を使ってしまいます。「担当者にお尋ねください」と言い換えます。自分が用件を聞くなら「ご用件を伺います」です。文化庁「尊敬語と謙譲語Iの使い分け」でも、誰の動作かに応じた違いが解説されています。

「お伺いします」を機械的に誤りとしない

敬語を重ねる二重敬語は一般に避ける考え方がありますが、「お伺いする」のように定着している表現もあります。「お」が付いたらすべて間違い、とは判断できません。社内用の例文では、迷いにくい「伺います」を基本にすることもできます。これは表現をそろえる工夫であって、別の表現をすべて誤用とする話ではありません。文化庁の同解説に、二重敬語と定着した表現の説明があります。

「させていただく」は、使う事情があるかを考える

文化庁は、相手側の許可を受けて行い、それによる恩恵を受けるという条件を目安に説明しています。単に「確認する」と伝えたい場面なら、「確認させていただきます」を毎回使わず、「確認いたします」と短く言えることもあります。一律の禁止ではなく、話す内容に合うかを見ます。文化庁「敬語のTPO・依頼の仕方」

「了解しました」は、文法と印象を分けて考える

「了解しました」を一律に文法の誤りとする必要はありません。ただ、社外の電話では、相手との関係や受け止め方が分からないこともあります。受付での基本表現を「承知しました」「承知いたしました」にそろえると、慣れていない人も迷いにくくなります。言葉の正誤だけを競うより、会社としてどの表現を使うかを共有する方が実務に役立ちます。

同じ内容でも、短い会話にすると聞き取りやすい

電話では相手の表情が見えず、長い文を一度に聞き取ってもらうのが難しい場面があります。たとえば、次のように情報を詰めると、何を答えればよいか分かりにくくなります。

「大変恐縮ですが、担当者が現在席を外しておりますので、お戻りになり次第お電話させていただく形になりますが、お名前とご連絡先とご都合のよろしい時間帯をお願いできますでしょうか」

これを、相手の返答を挟む短い会話に分けます。

受付:「申し訳ございません。担当の鈴木は席を外しております。折り返しをご希望でしょうか」

相手:「お願いします」

受付:「承知いたしました。折り返し先のお電話番号を伺えますか」

番号を確認後:「ご連絡をお受け取りになりやすい時間帯はございますか」

最後に:「鈴木へ、ご用件と折り返しのご希望を申し伝えます」

長い前置きを減らすと、相手の返答を確認しながら進められます。また、「担当者がお戻りになる」のように自社側を高める言い方も避けられます。話す前に全文を完成させようとせず、一つ聞いて、一つ確認するくらいの区切りで十分です。

一覧を現場で使うなら、よくある三場面から

すべての表現を覚えるより、まず「聞き直す」「担当者が不在」「その場で答えられない」の三場面を声に出してみてください。録音するなら社内で許可された練習方法を使い、言い間違いだけでなく、質問が一つずつになっているか、答えを待っているかも確かめます。

会社名と用件を入れた会話例を用意したい場合は、無料トークスクリプト作成ツールから、折り返しやクレームの初動など、近い場面を選んで編集できます。例文の敬語だけでなく、「その約束を自社で実行できるか」も一緒に確認してください。

言葉遣いを整えても、何度も同じ案内をする負担が大きいことはあります。Bellでは受電の一次受付や発信業務を扱っています。定型案内を任せる方法を考えたいときは、Bellの相談窓口で、現在よく受ける電話からお話しいただけます。まずは人が話すための一覧として使い、必要になったところから運用も見直していければ十分です。

よくある質問

電話対応で『了解しました』を使ってはいけませんか?

文法的な誤りと断定する必要はありません。ただ、社外の電話では相手との関係が分からないこともあるため、『承知しました』を基本にすると表現をそろえやすくなります。

『お伺いします』は二重敬語なので間違いですか?

二重敬語は一般に避ける考え方がありますが、『お伺いする』は定着している表現として文化庁の解説でも扱われています。機械的にすべてを誤りとせず、誰の動作を表しているか、聞きやすい長さかを確認します。

『させていただきます』は電話で使わない方がよいですか?

一律に避ける必要はありません。相手側の許可と、それによる恩恵があるかが目安です。単に自分の対応を伝える場面なら、『確認いたします』『お送りします』のように簡潔に言えることもあります。

関連記事

新着記事

寺下 昇希

寺下 昇希

Bell 技術責任者

Bellの技術責任者として、AI電話システムの設計・導入・改善に携わっています。現場の電話業務課題を、実務に耐える会話設計とシステム連携で解く知見を発信しています。

  • AI電話プロダクトの設計・実装を統括
  • 業種別シナリオ設計と運用改善を多数支援
著者プロフィールを見る

AI電話システムの導入をお考えですか?

専門スタッフがお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案します。