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電話対応フローチャートの作り方|担当者不在・折り返しまで図解

電話対応で迷ったときの判断を、受電から回答・取り次ぎ・担当者不在・折り返しまで一枚のフローチャートで整理。図の読み方、分岐ごとの会話例、引き継ぎの記録、現場に合わせた作り方を紹介します。

寺下 昇希Bell 技術責任者読了 12分

この記事の要点

  • 受電の分岐は、緊急対応の要否、自分で回答できるか、担当者につながるか、折り返しを希望するかの順に整理する。
  • 担当者が不在でも、折り返しを一方的に決めず、伝言や相手からのかけ直しを含めて希望を確認する。
  • 終話と対応完了を分け、折り返し案件には担当・確認期限・未解決の内容を残す。

電話対応のフローチャートには、「自分で回答できるか」「担当者につながるか」「折り返しを希望するか」という判断と、その先の対応を書きます。 あいさつから終話までを一直線に並べるだけでは、担当者が不在だった瞬間に使えなくなってしまいます。

この記事では、企業の代表電話や店舗の問い合わせ窓口で使える受電の分岐図を紹介します。まず図を確認し、自社の担当部署、回答できる範囲、連絡方法を書き込んでみてください。以下の図や会話は運用を考えるための例で、特定企業の実例ではありません。

電話対応フローチャート:受電から不在対応まで

電話対応の判断図。受電後に緊急対応の要否を確認し、通常の問い合わせは回答可能か、担当者へ取り次げるかを判断する。取り次げない場合は折り返しの希望を確認し、希望があれば連絡先と対応担当を記録、希望がなければ伝言やかけ直しを確認する。詳しい読み方は図の直後に記載。

この図は、社内で定めた緊急対応が必要かを先に確認し、通常の用件を次の順で振り分ける構成です。図を使えない場合も、以下の文章で同じ判断をたどれます。

  1. 会社名と自分の名前を伝え、相手の名前・用件を確認します。危険や重大なトラブルなど、社内の緊急対応に該当する場合は、その手順と責任者へ引き継ぎます。
  2. 通常の用件で、自分に回答する権限があり、最新の情報を確認できる場合は回答します。解決したかを確認して記録します。追加の判断が必要なら次へ進みます。
  3. 担当者が今その電話を受けられる場合は、保留の了承を得て取り次ぎます。つながったことを確認し、用件と未解決の点を渡します。担当者不在、話中、転送失敗は次へ進みます。
  4. 折り返しを希望する場合は、連絡先・用件・都合のよい時間帯を確認します。希望しない場合は、伝言だけを預かるのか、相手からかけ直すのかを確認します。
  5. 終話後、決めた対応と未解決の内容を残します。折り返しが必要な案件は、担当者と社内での確認期限を設定し、回答が済むまで追います。

緊急対応を要するか判断できない場合も、受付だけで抱え込まず、決めた責任者へ確認します。図の「緊急」は相手が急いでいるという意味だけではありません。安全に関わる連絡と、見積もりの回答を急ぐ連絡では、社内の行き先を分けておきます。

分岐1:自分で答えてよい用件か

最初に分けたいのは、「知っているか」だけでなく「この窓口で回答してよいか」です。営業時間や公開済みの案内は答えられても、個別契約の変更、返金の判断、特別対応の約束は担当者の確認が必要かもしれません。

たとえば「今日の受付は何時までですか」と聞かれたら、当日の営業予定を確認して回答します。一方、「受付時間を過ぎても対応してもらえますか」という質問は、通常の営業時間の説明だけでは答えになりません。例外を決められる人へ確認する分岐が必要です。

会話例は、「通常の受付は[確認済みの時刻]までです。時間外の対応については、担当者に確認してご案内いたします」です。知っている情報と、確認が必要な条件を一つの文に混ぜずに伝えると、相手も状況を理解しやすくなります。

用件の例受付で確認すること次の対応
営業時間・アクセス最新の営業日や案内か確認済みの情報を回答
予約・変更の依頼空き状況と登録権限があるか権限内で処理、または希望を受付
個別契約・料金の相談誰が条件を判断するか担当者へ取り次ぎ・確認
苦情・説明の食い違い何が起き、何を求めているか判断できる責任者へ共有

予約は、希望日時を聞いた段階と、台帳への登録を確認した段階を分けます。「[希望日]をご希望として承りました。空き状況を確認し、確定可否をご連絡します」と伝える場面で、「ご予約を承りました」と言い切らないことが大切です。

分岐2:担当者へ今、取り次げるか

担当者が出勤していることと、電話に出られることは別です。会議中、接客中、別の通話中であれば、図では「今は取り次げない」経路に進みます。

取り次ぐ前には、「担当の[氏名]に確認いたします。少々お待ちいただけますか」と保留の了承を取ります。社内では「[会社名・氏名]様から、[用件]についてです。まだ回答していない点は[質問]です」と伝え、担当者が受けられることを確認します。相手に同じ説明を最初から繰り返してもらう負担を減らすためです。

担当者に連絡がつかないまま、保留を何度も延長しないようにします。待機を続ける目安と、どの時点で一度電話へ戻るかは、自社の体制に合わせて決めておきます。「お待たせしております。担当者が別の電話に出ております。折り返しのご連絡をご希望でしょうか」と状況と選択肢を伝えます。

転送ボタンを押した後につながらなかったケースも、不在対応と同じ経路へ戻します。電話機の操作によっては受付に戻せないことがあるため、実際の端末で保留・転送・無応答時の動きを試し、操作の説明は電話対応マニュアルの作り方と合わせて整理してください。

分岐3:担当者不在なら、折り返しの希望を聞く

「担当者がいない」と分かったら、すぐに「折り返します」と約束するのではなく、相手の希望を確かめます。相手は自分からかけ直したいかもしれませんし、伝言だけで済む場合もあります。

不在理由は、応対に必要な範囲で伝えます。 「ただいま席を外しております」「本日は不在にしております」で足りる場面では、私的な事情や詳細な予定まで説明する必要はありません。戻り時間が未確認なら、そのまま未定と伝えます。

折り返しを希望された場合

会話例は、「担当者からの折り返しをご希望ですね。お名前と、お電話してよい番号を伺えますか。つながりやすい時間帯はございますか」です。着信に表示された番号が必ず連絡先とは限らないので、折り返す番号を相手に確認します。

「午前中に電話してほしい」という希望は、そのまま会社側の確約にはなりません。受付で時刻を約束できない場合は、「午前中をご希望として申し伝えます。担当者の予定を確認できていないため、現時点では時刻をお約束できません」と伝えます。そのうえで、希望に間に合わない場合の連絡方法を社内で決めます。

伝言だけ、または相手からかけ直す場合

伝言だけでよい場合は、「[用件]についてのお伝えで、折り返しは不要ということでよろしいでしょうか」と確認します。「電話があったことを伝える」と「回答が必要な依頼を受け付ける」は、記録上も分けてください。

相手がかけ直す場合は、案内できる範囲で受付時間を伝えます。担当者が確実に出られるか未確認の時刻を指定しないようにしましょう。急ぎの用件で担当者以外でも対応できるなら、代わりの窓口への取り次ぎを提案し、相手の了承を得ます。

折り返し受付は、電話を切った後まで設計する

フローチャートの終点をすべて「終話」にすると、折り返し待ちの案件が見えなくなります。通話は終わっていても、問い合わせへの回答は続いています。図の最後には、記録と担当者への引き継ぎを置きましょう。

記録する項目残し方の例
受付日時・受付者誰が、いつ受けた電話か
相手・確認済みの連絡先社内で必要な最小限の情報
用件・未解決の質問相手の希望と、まだ回答していない点
連絡の希望折り返し要否、希望時間帯、連絡方法
次の担当・確認期限誰が内容を確認し、いつ状況を見直すか
対応状況未着手、確認中、連絡待ち、完了など

たとえば架空の案件として、「見積書の納期について回答希望。担当者は会議中。翌営業日の午前を希望。受付は時刻を確約していない」と残します。単に「至急電話してください」と書くより、担当者が確認すべき内容と、相手の期待が伝わります。

受け付けた人が担当者へ通知するだけでなく、通知先が確認したか、引き受ける人が決まったかも見ます。担当者が休みなら誰へ回すのか、不在が続いたら誰が状況を説明するのかを決めると、伝言の送信だけで作業が止まりにくくなります。

折り返してもつながらなかった場合には、「発信済み」と「回答完了」を分けます。次の連絡をどうするかは相手と確認した希望や社内手順に沿って判断し、不在着信を残しただけで完了扱いにしない運用にします。

自社用のフローチャートに直す方法

判断の言葉を、担当者が選べる形にする

図のひし形には、一度に一つの質問を置きます。「対応できるか」では範囲が広いため、「最新の案内があり、受付で回答してよいか」「担当者が今、通話を受けられるか」のように、判断する条件を明確にします。

「難しい用件なら上司へ」という基準も、人によって変わります。値引き、契約変更、複数部署の判断が必要な依頼など、自社で取り次ぐ対象を具体化しましょう。図には短い条件だけを残し、詳しい回答集や担当表は別に置くと見渡しやすくなります。

名前や担当部署が分からないときの戻り先を用意する

相手の名前が聞き取れない場合は、取り次ぎ先を探す前に「恐れ入りますが、お名前をもう一度伺えますか」と確認します。担当者名が曖昧なら、用件や以前やり取りした部署など、相手が分かる範囲の手がかりを聞きます。推測で部署を転々とさせず、受付で確認する担当へ渡す経路を用意してください。

電話の音が途切れて内容を確認できない場合も、用件を理解した前提で進めません。聞き直しても確認できなければ、その状況を伝え、かけ直しなど利用できる方法を相手と相談します。図の外に出た用件をすべて折り返しに集めるより、まず何が不明なのかを残すことが大切です。

よくある例外を、短い練習で確かめる

完成した図を使い、一人が相手役、一人が受付役で電話を再現します。通常の営業時間の質問だけでなく、担当者不在、名前が聞き取れない、折り返し不要、希望期限に間に合うか分からない場面を試してください。

たとえば「担当者はいますか」という電話で、用件を聞かずに転送した後に無応答になったとします。図に戻る場所がなければ、転送失敗から不在対応へ矢印を足します。会話が止まった原因が聞き方なら、図を複雑にするより、電話対応の言い回し・フレーズ集を参考に短い例文を添えます。

営業時間外も確認しましょう。担当者が誰もいない時間は、通常の転送先へ進めません。案内できる内容、受付後に確認する人、営業再開までの扱いを決めておきます。図の管理者と更新日も明記し、担当変更や受付時間の変更があったら見直します。分岐ごとの話し方は、トークスクリプトのテンプレートを使ってそろえられます。

人とAIで分担するときも、同じ分岐を使う

電話の一次受付を自動化するときも、この図を出発点にできます。公開情報の案内や用件の聞き取りはどこまで任せるか、どの条件で人へ引き継ぐか、つながらなかったときに何を残すかを、一つずつ確認します。

Bellでは、受電と架電の電話業務についてご相談いただけます。受電の用件整理から、必要な折り返し連絡まで検討する場合も、相手が希望した連絡と担当者の判断をつなぐ設計が大切です。自動で対応できる範囲やシステム連携の条件は、実際の業務に合わせて確認します。シナリオ設計の考え方も、分岐と引き継ぎを整理する参考になります。

まずは現在の図に「人が判断する箇所」と「繰り返し行っている確認」を書き込んでみてください。運用の整理と合わせて自動化を検討したい場合は、Bellへのお問い合わせから、困っている場面をお聞かせください。

よくある質問

電話対応フローチャートとマニュアルはどう違いますか?

フローチャートは、相手の用件や担当者の状況によって次に何をするかを選ぶための図です。マニュアルには、電話機の操作、言葉遣い、記録先、担当部署などの詳しい手順もまとめます。図から必要な手順を参照できるようにすると使いやすくなります。

担当者が不在なら、必ず折り返しを案内しますか?

まず相手の希望を確認します。折り返しを希望しない場合は、伝言だけを預かる、相手からかけ直す、利用できる別の窓口を案内するなどの対応を選びます。戻り時間が分からない担当者について、時刻を推測して約束しないようにします。

フローチャートは何個の分岐にすればよいですか?

一律の正解はありません。最初は複数の用件に共通する判断をまとめ、予約変更や個別契約など詳しい確認が必要なものは別の手順に分けます。実際の電話を当てはめ、行き先が決まらない場面を直していきます。

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寺下 昇希

寺下 昇希

Bell 技術責任者

Bellの技術責任者として、AI電話システムの設計・導入・改善に携わっています。現場の電話業務課題を、実務に耐える会話設計とシステム連携で解く知見を発信しています。

  • AI電話プロダクトの設計・実装を統括
  • 業種別シナリオ設計と運用改善を多数支援
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