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2025-12-15

「面談化率1.8倍・転職支援数2倍」を実現するまでの3ヶ月 — 転職エージェントの“営業モデルを変えた”アウトバウンドAI電話導入ストーリー

寺下 昇希Bell 技術責任者読了時間: 15

問い合わせ5分以内の即時架電と休眠リード掘り起こしで、面談化率1.8倍・転職支援数2倍を実現。音声品質にこだわったAI電話とCS伴走支援で、転職エージェントの成果構造をどう変えたのかを公開。

導入実績

Bellは30以上の業界(医療・不動産・自動車・物流・旅行・金融・自治体など)で「電話業務の自動化 × 顧客接点の高度化」を実現してきました。 まるで人間が話しているような音声で、AIが24h/365d対応することはもちろんのこと、あらゆるシステムと連携することで、各種業界の電話業務をAIが代替してきました。

本記事では、転職エージェントK社がBellを活用し、面談化率1.8倍・転職支援数2倍を実現するまでのプロセスをご紹介します。 サービスページは、こちらをご確認ください。

プロジェクト背景:転職エージェント業界が抱える構造的な課題

転職エージェント業界では、毎月のように新規事業者が参入する一方で、日本全体の労働人口は増えておらず、限られた求職者を巡る競争が年々激化しています。 その結果、転職エージェントにとっては「いかに求職者にアプローチし、面談設定までつなげられるか」が事業成長を左右する最重要テーマとなっています。

こうした状況を生み出している背景には、大きく分けて以下の 3つの構造的な課題 がありました。 エージェント数推移

集客プラットフォーム依存による“同じ生簀での競争”

多くの転職エージェントは、ビズリーチやリクルートなどの大手集客プラットフォームに求職者獲得を大きく依存しています。 その結果、同じ求職者に対して、複数のエージェントがほぼ同時に連絡を行うという構造が生まれ、面談獲得の難易度は年々上昇していました。 大手集客プラットフォーム依存による競争の画像

独自集客に注力する一方で、面談化率が伸びない

こうしたプラットフォーム依存のリスクを背景に、多くの転職エージェントでは、SNSなどを活用した独自集客パイプラインの構築 に力を入れるようになっています。 K社も例外ではなく、SNS集客を中心に独自のリード獲得施策を積極的に進めていました。

しかし、新たな集客チャネルの構築は一筋縄ではいかず、成果が安定するまでには一定の時間がかかります。 そのためK社では、新規集客施策と並行して、すでに獲得できている問い合わせを、いかに面談につなげるか(CV=面談化率の改善)にも注力する必要がありました。

特に重要だったのが、「問い合わせ後の初動対応」をいかに改善するか、という点です。

問い合わせ5分以内の即時架電ができない

転職エージェント業界では、「問い合わせから5分以内に架電できるかどうかで、面談率が大きく変わる」という考え方は、すでに業界内の共通認識となっています。

一方でK社では、「大手のように専任のIS(インサイドセールス)部隊を持たない」、「CA(キャリアアドバイザー)が、面談対応と架電対応を兼務している」といった体制上の制約があり、 すべての問い合わせに対して即時架電を行うことが現実的に難しいという課題を抱えていました。

この「初動対応スピードの壁」が、面談化率向上を阻む大きなボトルネックとなっていたのです。 問い合わせからの経過日数ごとの通電率

K社がAI電話を検討した理由と、導入をためらった理由

面談化率向上という明確な課題を前に、K社が次に検討したのが AI電話の活用 でした。 問い合わせ直後の即時架電を自動化できれば、「 CAの稼働に左右されず」「取りこぼしなく」「常に最速で求職者にアプローチできる」、という理想的な状態を実現できると考えたためです。

一方で、複数のAI電話事業者と情報収集・比較検討を進める中で、K社の中には 大きな懸念 も生まれていました。

  • 音声が機械的で、求職者に違和感を与えてしまわないか
  • 転職という重要な意思決定の入り口に使える品質なのか

効率化のメリットは理解できる一方で、「面談率は上がっても、求職者体験や自社ブランドを損ねるリスクがあるのではないか」という不安が拭えず、導入の決断には至らない状態が続いていました。

Bellとの出会い:「これならいける」と感じた決め手

そんな中、K社がBellを知ったきっかけは、Webサイトに掲載されていた デモ音声 でした。実際の音声を聞いた瞬間、それまで抱いていたAI電話への印象が大きく変わったといいます。

「これなら、求職者に違和感を与えない」
 「人が対応しているのと遜色ない」

そう感じていただき、「一度、詳しく話を聞いてみよう」 とお問い合わせをいただいたのが、Bell導入プロジェクトの始まりでした。 Bellデモ音声はこちらをご確認ください。

Bell導入初期:まずは“面談化率”に直結する施策から

初回の打ち合わせでK社からいただいた要望は、非常に明確でした。

「即時架電率は100%を前提として、その先の“面談化率”をとにかく上げてほしい」

同時に、

「他にもAI電話の活用余地はありそうだが、正直、どう設計すれば成果につながるのかわからない」

という率直な課題感も共有いただきました。 そこでBellでは、3ヶ月間のCS伴走プランを活用しながら、

  • まず成果に直結するポイントから着手し
  • 効果を見ながら段階的に活用範囲を広げていく

という進め方をご提案しました。

問い合わせからの即時架電

まず最初に取り組んだのは、問い合わせ直後の自動即時架電 です。

  • フォーム送信後、数分以内にAIが自動架電
  • 面談設定、もしくは折り返し対応までをAIが一次対応

この施策だけでも、初月から明確な成果が現れました。

面談化率:従来比1.8倍

「即時架電ができる」だけでなく、“面談につながる会話設計” をCSが一緒に作り込んだことが、成果に直結したポイントです。

繋がらない候補者の追いかけ架電

問い合わせ直後の自動即時架電に加えて、求職者への追いかけ架電も実施しました。 K社ではこれまで、

  • 問い合わせから1週間は毎日架電する
  • 1週間を過ぎたリードは3日おきに架電する

というルール自体は存在していました。 しかし実際には、CAのリソース不足により、

  • 初動以降のフォローが追いつかない
  • 1週間を過ぎたリードには、ほぼアプローチできていない

という状態が続いていました。

Bellを活用することで、人の手では追い切れなかったリードにも自動で、何度でも一貫した品質でアプローチが可能になり、“取りこぼしていた機会そのもの” を回収できる状態 を実現しました。

次に見えた勝ち筋:休眠リードの掘り起こし

即時架電による面談化率向上という成果が見え始めたことで、K社とBellのCSは、次の打ち手を検討し始めました。

「今、最も改善インパクトが大きいポイントはどこか」
 「人のリソースを増やさずに、さらに成果を伸ばせる余地はないか」

こうした視点でデータを整理していく中で、次に注目したのが 休眠リードの存在 でした。K社では、毎月300件以上の問い合わせが発生しており、そのうち一定数は面談に至らず、連絡が取れないまま、あるいは初回対応後にフェードアウトし、“休眠リード”として蓄積されていました。 休眠リード画像

これらのリードは、

  • CV期待値は高くない
  • しかし、完全にゼロでもない

という、扱いが難しい層です。 人のリソースを割いて追いかけるには非効率で、一方で、何もしなければ機会損失になる。「手を付けるべきだが、手が付けられない」そんな領域こそ、次の改善余地だと判断しました。

AI電話だからできた「全件・継続」アプローチ

Bellを活用することで、すべての休眠リードに対して、「低コストで」「人手を介さず」「継続的にアプローチ」する運用が可能になりました。 具体的には、

  • 一定期間連絡が取れていないリードに対し、自動で再架電
  • 状況に応じて、面談再設定・タイミング調整・情報提供を実施
  • 人が介入すべきリードのみをCAにエスカレーション

といった役割分担を設計しています。 その結果、

  • 休眠リードの約1%が面談化
  • 月200〜300件規模の新規面談創出

という、想定を上回る成果につながりました。 これまで「追えなかった」「諦めていた」リードが、安定的な面談供給源 に変わった瞬間でした。

3ヶ月後に起きた構造変化

これらの施策を積み重ねた結果、K社の事業には、明確な変化が生まれました。

  • 面談化率:1.8倍
  • 転職支援数:2倍

重要なのは、これが単なる「電話業務の効率化」ではなかった点です。

  • 即時架電で取りこぼしを減らし
  • 休眠リードを再活性化し
  • CAは本来注力すべき面談・支援業務に集中できる

という流れが生まれ、売上につながる仕組みそのものが再設計 されました。 結果として、初期接点(架電・フォロー)と価値提供(面談・支援)が自然に分業され、 The Model型組織が目指す役割分担に近い形が、無理なく実現されたと言えます。 the model型組織の画像

Bellは単なるAI電話ツールではなく、成果が出るまで一緒に考え、改善し続ける“伴走型の営業基盤”として機能し始めたのです。

さらなる進化:AI面接の導入

即時架電、休眠リードの掘り起こしといった施策により、K社では安定して面談を創出できる状態が整いました。 しかしK社とBellのCSは、ここで満足しませんでした。

「面談数は伸びた。では次に、CAの時間は本当に価値の高い使い方ができているのか?」

そうして見えてきたのが、初回面談そのもののあり方 でした。

従来の課題:初回面談が“情報収集”で終わってしまう構造

従来の転職エージェント業務では、 問い合わせ → 架電 → CAによる初回面談 → 2回目・3回目の面談、という流れが一般的です。

しかし実際の初回面談では、「希望条件の確認」「転職理由の深掘り」「志向性・温度感の把握」、といった情報収集に多くの時間が割かれ、本質的な提案に至るまでに、複数回の面談が必要になるケースも少なくありませんでした。

これは、

  • CAにとっては稼働負荷が高く
  • 求職者にとっても「何度も同じ説明をする」体験

になりがちで、構造的な改善余地が残されていました。

問い合わせの段階で“面談を終える”という発想

そこで弊社CSが提案したものが、AI面接の導入 です。 具体的には、問い合わせフォームに「AI面接を行う」ボタンを設置。 求職者は、問い合わせ直後に

  • 希望条件
  • 転職理由
  • キャリアの方向性
  • 転職時期や温度感

といった内容を、AIとの対話形式で自然に回答 できるようになりました。 これにより、問い合わせ=面談の一部が完了している状態を作り出すことを可能にしたのです。 AI面談画面

CAの生産性が飛躍的に向上した理由

AIが初回ヒアリングを担うことで、CAが初めて求職者と話す時点では、求職者の背景・思考のクセ・価値観や優先順位、までが既に整理された状態になっています。 その結果、CAは初回面談から単なるヒアリングではなく、本質的なキャリア相談・求人提案に時間を使えるようになりました。

面談回数は減り、面談の“質”が上がった

この変化によって、

  • 定型的な情報確認のための面談は減少
  • 1回あたりの面談価値は大きく向上

という好循環が生まれました。 さらに、

  • 求職者は「理解された状態」で話が進む
  • CAは深い前提共有のもとで提案できる

ため、信頼関係の構築スピードが上がり、最終的な転職支援成功につながる確度も向上 する結果となりました。

AI面接がもたらした、本当の変化

AI面接は、単なる業務削減ではありません。

  • 問い合わせの段階で面談が始まり
  • CAは“最も価値を発揮できる局面”に集中し
  • 求職者は、深く理解された状態で意思決定ができる

こうした状態を実現することで、転職支援プロセスそのものを再設計 しました。 即時架電、休眠リードの活用(掘り起こし)、そしてAI面接、この「三本の矢」によって、K社の転職支援は量・質・再現性 のすべてが一段引き上げられたのです。 theモデルをもとにしたBellの3本の施策

Bellは「効率化ツール」ではなく「転職支援を伸ばす基盤」

Bellが目指しているのは、電話対応を自動化すること自体ではありません。

  • 面談につながる機会を最大化し
  • CAが本来向き合うべき支援に集中でき
  • 成果が出る構造を、組織に残すこと

そのための “転職支援基盤” を提供しています。 会話データが蓄積されるほど、求職者理解は深まり、適切なタイミング・伝え方が洗練され、商談・面談の再現性が高まっていきます これは、属人的になりがちな転職エージェント業務を、仕組みとしてスケールさせる という挑戦でもあります。

「今のやり方を変えずに、成果だけを伸ばしたい」エージェントへ

  • 即時架電ができていない
  • 休眠リードを活かしきれていない
  • CAが面談以外の業務に追われている

もし一つでも当てはまるのであれば、Bellはその課題を 無理なく、段階的に 解決できます。 Bellは、単なる架電AIではなく、転職エージェントの成果を伸ばし続ける“新しい営業・支援基盤”として機能するプロダクトです。

少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせはこちら

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寺下 昇希

Bell 技術責任者

AI電話システムの専門家として、美容室や転職エージェント、ホテル、クリニックなど幅広い業種での導入支援を行っています。アウトバウンド架電やインバウンド受電のシナリオ設計、既存システムとの連携など、お客様のニーズに合わせた包括的なソリューションを提供しています。

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