IVRの費用を4サービスで比較|料金の内訳・総額試算・選び方
IVRの費用を、IVRy・DXでんわ・コールナビゲーター・トビラフォンCloudの公式料金で比較。初期費用、月額、着信・転送料、番号維持費を整理し、同条件で総額を見積もる方法と業務別の選び方を解説します。
この記事の要点
- IVRの費用は、初期費用・月額基本料・番号・着信・転送・追加機能・運用工数を揃えて比べる。
- 最低価格のプランに番号分岐や有人転送が含まれるとは限らない。必要な機能が使えるプランを選ぶ。
- 件数課金と時間課金は得意な利用条件が異なる。平常月と繁忙月を同じ前提で試算する。
IVRの費用は「必要な機能が使えるプラン」と「使った分の料金」を組み合わせて比較します。 月額が安く見えても、担当者への転送が上位プラン限定だったり、既存番号から転送する通話料が別にかかったりするためです。
この記事では、2026年10月7日に確認した4サービスの公式料金を紹介し、月額以外に見るべき項目と試算方法を解説します。掲載順はランキングではありません。必要な機能と料金体系を比較するために、料金が公開されている異なるタイプのサービスを選びました。
IVRの仕組み、音声認識式との違い、PBXとの関係から確認したい方は、先に業務用IVRの基礎と導入方法をご覧ください。
IVRの料金相場を見る前に、比較する機能を決める
本記事で掲載する基本プランの例では、月額3,000円のクラウドPBXや月額3,980円の受電IVRがあります。一方、着信件数を含むプランや会話型AI付きのプランもあり、月額だけを市場相場として平均すると実態を捉えにくくなります。
最初に「何の業務を終わらせたいか」を揃えましょう。
| 必要な対応 | 見積もりに含める機能 | 比較時の注意 |
|---|---|---|
| 営業時間を案内したい | 自動応答、曜日・休業日設定 | 音声を再生するだけのプランと番号分岐付きプランを区別する |
| 部署へつなぎたい | 用件分岐、転送、不在時の経路 | 転送可能なプラン、転送先の数、通話料を確認する |
| 用件を録音して折り返したい | 録音、通知、必要なら文字起こし | 録音保存期間と、折り返しの人手も含める |
| 会話で予約希望を聞きたい | 音声認識、会話制御、確認、通知 | 希望の受付と予約確定を分ける |
| 予約を確定したい | 空き枠照会、登録、結果確認 | 台帳連携の開発・保守と失敗時の運用を含める |
| 社内電話も見直したい | PBX、内線、外線発信、IVR | 人数・チャネル・番号を揃え、受電専用サービスと分けて評価する |
有人受付も含めて比較する場合は、電話代行サービスの比較と選び方で対応範囲を整理できます。
公式料金で比較する4サービス
以下は2026年10月7日時点の確認内容です。金額は税別で統一しています。 契約時期、番号、オプション、個別見積もりで変わることがあります。無料枠の記載が確認できない項目を「無料」「無制限」とは扱っていません。
| サービス・比較対象 | 初期費用 | 月額基本料 | 含まれる範囲・従量料金 | 比較上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| IVRy・スタンダード | 0円 | 月払い6,480円〜 | 番号維持費・従量利用料金は別途 | 有人への発信・転送が使えるプランを選定 |
| DXでんわ・ライト | 0円 | 10,000円 | 着信100件まで。超過100円/件。2chまで含む | 転送等は別料金。3ch以上は追加費用 |
| コールナビゲーター・ライト | 0円 | 3,980円 | 専用050番号の発行・維持費込み。接続1.5円/分 | 番号分岐・転送対応。転送振り分け先は最大4つ |
| トビラフォンCloud・基本セット | 30,000円 | 3,000円 | 050番号1つ、内線2つ、2ch。通話料別 | IVRを含むクラウドPBX。外線転送は発信通話料が必要 |
出典:IVRy料金・IVRy初期費用、DXでんわ料金、コールナビゲーター・ライト料金、トビラフォンCloud料金。
IVRy:転送の有無と月払い・年払いを揃える
IVRyはAI・IVRによる応答を提供しています。スターターは月払い3,980円〜ですが、公式の機能比較では電話発信・転送が対象外です。転送を必要とする比較では、月払い6,480円〜のスタンダードを使います。
スタンダードの年払いは年64,800円〜、月換算5,400円〜です。月払いの価格と年払いの月換算額を同じ条件として扱わず、支払い方法と契約条件を確認してください。基本料に番号維持費と従量利用料が加わるため、通話の条件を伝えて総額を確認します。公式料金・機能比較
DXでんわ:無料着信枠と超過単価を一緒に見る
ライトは月100件を含みます。件数が増える場合は、スタンダードの月30,000円・500件込み・超過60円/件なども比較対象です。最も小さいプランを固定したまま試算するより、各社で自社の件数に合うプランを選びます。公式料金
外線転送は、公式FAQでは固定電話8円/3分、携帯電話16円/分です。既存の番号から転送する場合の通信会社側の料金も別に確認します。公式FAQ
なお、過去の公式改定告知には別の低価格プランも掲載されています。本表は確認時の料金ページにあるライトを比較対象としており、「最安プラン」とはしていません。申込可能なプランと適用料金を見積書で確認してください。2025年9月の料金改定告知
コールナビゲーター:番号維持費と接続時間の扱いが明確
ライトは専用050番号の発行・維持費を基本料に含み、自動応答の接続時間に1分1.5円がかかります。転送先が固定電話なら1分7円、携帯電話なら1分18円、SMSは1通12円です。基本料金に含まれる無料通話枠の記載は確認できません。ライト公式料金
最も小さいシンプルプランは音声メッセージの案内用で、番号分岐や電話転送を含みません。本記事では分岐・転送に対応するライトを選んでいます。公式プラン比較
ライトの最低契約期間は1か月・自動更新ですが、解約の連絡期限は別の条件です。公式FAQでは解約希望月の前月末までの連絡が必要とされています。公式FAQ
トビラフォンCloud:電話基盤の置き換えまで比較する
基本セットは050番号1つ・内線2つ・同時通話2chを含むクラウドPBXです。内線追加は月1,000円、チャネル追加は月500円のため、利用人数とピーク時の接続数を決めてから比較します。IVRは標準機能として案内されています。公式料金・公式FAQ
内線の転送が無料でも、外線転送まで無料とは限りません。公式FAQでは、自動外線転送は着信と転送で2chを使い、転送先への発信通話料がかかると説明されています。外線への手動転送は非対応のため、現在の取り次ぎ方法との適合も確認します。外線転送の公式仕様
月額以外にかかる費用を7項目で確認する
見積書は、次の項目に分けると比較しやすくなります。
| 費用項目 | 主な内容 | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 契約、番号、設定、音声、シナリオ作成 | 0円に含まれる作業と、別料金の作業は何か |
| 月額基本料 | サービス、アカウント、番号、基本機能 | 拠点・番号・利用者・チャネルを増やすといくらか |
| 着信・自動応答 | 件数、分数、処理単位などの従量料 | 案内中・無入力・途中切断・転送中をどう数えるか |
| 転送・発信 | 固定電話、携帯電話、番号種別ごとの通話料 | 転送元と転送先の両方で料金が発生するか |
| 追加機能・連携 | SMS、録音保存、AI、CRM・予約連携 | 初期開発だけでなく月額保守も必要か |
| 運用作業 | 音声更新、休日登録、内容確認、障害対応 | 社内担当者が月に何時間使うか |
| 残る有人対応 | 通話、折り返し、例外判断、入力 | 自動化後も残る仕事は何か |
「電話番号を変えずに使える」という説明でも、現在の番号からサービスへ転送する構成なら、既存の電話契約が残ることがあります。NTT西日本のボイスワープでは、契約者から転送先までの通話料は契約者負担とされています。転送通話料の公式FAQ
通話料の課金単位も重要です。1分ごとの切り上げと秒単位の計算では、短い電話が多い月の総額が変わります。平均時間を掛ける概算に加え、可能なら実際の通話時間分布を渡して見積もりを取りましょう。
同じ条件で試算する:件数課金と時間課金の比較例
以下は料金体系の違いを理解するための架空の計算例です。A・Bはいずれも実在サービスではなく、上記4社やBellの見積額・実績ではありません。金額は税別の想定です。
共通条件は、初期費用・番号維持費・SMS・連携費用を0円、転送料を20円/分とします。自動応答の接続時間と転送後の時間を別々に課金し、分単位の切り上げはないものと仮定します。実際の製品では課金範囲を確認してください。
- A:件数課金モデル。 月額5,000円、月100件込み、超過1件50円
- B:時間課金モデル。 月額10,000円、無料分なし、自動応答1分3円
- 条件1:短い電話が多い。 月300件、自動応答平均2分、20%を平均3分転送
- 条件2:長い電話が少ない。 月100件、自動応答平均10分、20%を平均3分転送
| 費用 | 条件1・A | 条件1・B | 条件2・A | 条件2・B |
|---|---|---|---|---|
| 月額基本料 | 5,000円 | 10,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
| 自動応答の従量料 | 200件×50円=10,000円 | 600分×3円=1,800円 | 枠内のため0円 | 1,000分×3円=3,000円 |
| 転送料 | 180分×20円=3,600円 | 180分×20円=3,600円 | 60分×20円=1,200円 | 60分×20円=1,200円 |
| 想定月額合計 | 18,600円 | 15,400円 | 6,200円 | 14,200円 |
この仮定では、条件1はB、条件2はAの方が安くなります。同じ機能でも件数と時間が変わると、料金体系の有利不利が入れ替わります。
見積もりでは、少なくとも平常月と繁忙月の2パターンを作ります。着信増だけでなく、転送が増える月、案内が長くなる月、予約変更が集中する月も確認すると予算を立てやすくなります。
費用対効果は「残る仕事」まで含めて考える
社内で比較するときは、支払うサービス料金に加えて残る有人作業を換算します。人件費の単価は、時給だけにするのか、会社負担や管理工数を含めるのかを比較前に統一します。
導入後の月間評価額=サービス・通信の支払い額+残る有人作業時間×社内の時間単価+初期費用の月割額
初期費用の月割りは意思決定用の考え方で、会計処理の指定ではありません。契約期間と利用見込みに合わせて比較期間を決めます。
たとえば、導入前は月40時間、導入後は通話・折り返しが18時間、確認・更新が4時間、時間単価を2,500円、サービスと通信を月30,000円と仮定します。
| 項目 | 導入前 | 導入後の仮定 |
|---|---|---|
| 有人作業 | 40時間 | 18時間+4時間=22時間 |
| 人件費相当の評価額 | 100,000円 | 55,000円 |
| サービス・通信費 | 追加費用0円と仮定 | 30,000円 |
| 比較用の月間合計 | 100,000円 | 85,000円 |
この例では18時間が空き、評価額の差は15,000円です。給与の支払いがそのまま15,000円減るとは限りません。 空いた時間を他の業務に使える効果と、残業や外注費などの実支出が減る効果を分けて判断します。ここでも初期費用や既存の通信費差は0円と仮定しており、Bellや特定サービスの効果を示していません。
着信を増やせた場合も、件数だけで売上効果を判断しないようにします。受付後の対応が完了した件数、再問い合わせ、誤案内、担当者の確認時間まで追ってください。AIの適否はAI電話の対応範囲と導入判断で整理しています。
Bellの社内比較で見られたコスト削減例
Bellの社内比較では、導入後のコストが人件費の約3分の1〜5分の1となった実績例があります。ここでの導入後コストには、Bellのサービス料、通話料、導入後も残る有人対応を含みます。
これは当社の実績例であり、上記4サービスの料金比較や架空の試算とは別の情報です。対象業務や運用条件で結果は異なり、すべての導入で同じ削減率を保証するものではありません。自社での見込みを判断する際は、任せる業務量、人件費の算定範囲、残る有人作業を揃えて確認してください。
業務別に選ぶと、必要なプランが見える
以下は製品の優劣ではなく、見積もりの条件を決めるための選び方です。
| 自社の状況 | 優先する比較条件 | 試用で見ること |
|---|---|---|
| 少人数の会社で、代表電話の取次を減らしたい | 少数の分岐、転送、不在時受付、番号維持 | 担当者不在でも用件が残り、折り返せるか |
| 店舗で、同じ案内の電話が多い | 短い音声、営業時間設定、変更の容易さ | 必要な情報まで長く待たせないか |
| 用件を聞いてから担当者へ渡したい | 音声認識、会話、要約、引き継ぎ | 言い直し、担当違い、情報不足を扱えるか |
| 複数拠点で社内電話も変えたい | PBX、内線、拠点権限、チャネル追加 | 代表番号、内線、外線転送が現行業務に合うか |
| 予約・注文まで処理したい | 業務システム連携と例外対応 | 登録失敗、重複、途中切断の記録が残るか |
会話型AIを比較する場合は、ボイスボットのサービス選定ガイドで、音声品質や引き継ぎまで含めて試験項目を揃えられます。
見積もり依頼前のチェックリスト
同じ条件を各社へ伝えるため、次の内容を1枚にまとめておくと便利です。
- 対象窓口と番号種別。現在の番号を維持するか、新しく用意するか
- 月間件数、接続時間、ピーク時の同時着信数
- 分岐数、転送率、転送先の固定・携帯の割合と通話時間
- 営業時間、休業日、時間外と転送先不在時の処理
- 録音、文字起こし、SMS、通知、外部連携の必要範囲
- 設定作業、シナリオ変更、保守を誰が担当するか
- 初期・月額・従量・追加・解約に関する費用と、最低利用期間
- 終了時の番号、録音、受付データの取り出し方法
「追加料金がかかることがあります」で終わらせず、どの操作・件数・分数で、いくら増えるかを見積書に分けてもらいましょう。番号の継続利用、同時接続、業務システム連携が必要なら、契約前の実機確認も重要です。
まとめ:安い月額より、自社条件での総額を比べる
IVRの費用比較では、必要な機能、課金単位、転送、電話番号、運用作業を揃えることが基本です。受電IVRとクラウドPBX、定型案内と会話型AIを同じ月額だけで比べず、どの仕事が終わり、どの仕事が残るかを確認してください。
Bellを比較する場合も、現在の件数や業務内容をもとに、サービス・通信・連携と残る有人対応を含めた条件を整理します。電話対応の費用と導入範囲について相談する
よくある質問
IVRの月額費用はいくらから検討できますか?
本記事で確認した公式掲載例では、トビラフォンCloudの基本セットが月3,000円、コールナビゲーターのライトが月3,980円です。いずれも税別で、初期費用、含まれる電話機能、通話料などが異なります。市場全体の最安値や、すべて込みの総額を示すものではありません。
初期費用0円なら追加料金はかかりませんか?
月額基本料とは別に、番号維持費、着信の従量料金、転送料、SMS、同時接続の追加、設定支援などが発生する場合があります。現在の番号から転送するなら、通信会社側の契約料や転送通話料も確認してください。
着信件数課金と時間課金は、どちらが安いですか?
件数と接続時間の組み合わせで変わります。無料枠、最低課金単位、切断や転送中の数え方も製品ごとに異なります。月間件数、平均接続時間、転送率、転送先を揃え、平常月と繁忙月の見積もりを取ると比較しやすくなります。
IVRとAI電話は料金だけで選べますか?
案内や振り分けで完了する用件と、会話による聞き取りやシステムへの登録まで必要な用件では、比較すべき範囲が違います。サービス料金に加えて、導入後に残る通話、折り返し、確認、入力、設定更新の時間を含めて判断します。
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寺下 昇希
Bell 技術責任者
Bellの技術責任者として、AI電話システムの設計・導入・改善に携わっています。現場の電話業務課題を、実務に耐える会話設計とシステム連携で解く知見を発信しています。
- AI電話プロダクトの設計・実装を統括
- 業種別シナリオ設計と運用改善を多数支援